奈良の大仏と「国銅(帚木蓬生)」

 夏休みに帚木蓬生「国銅」という小説を読みました。
奈良時代に東大寺の大仏建立に従事した人足たちの物語です。
主人公の若者は長門の国から仲間とともに徴用され、都の奈良で働かされます。
大仏建立の仕事は正に苦役なのですが、主人公は技術を覚え、文字を学び、
薬草の知識も身につけ成長していきます。
 奈良時代の生活もリアルに描かれています。疫病が流行し、盗賊の跋扈する
厳しい時代です。
当時、都へ行って無事に帰ってくるのは大変な難事でした。
 東京へ日帰りで安全に旅行したり、白米の食事をいただくのを当たり前と
思っていますが、奈良時代のことを思えばとてもありがたいことなのです。
 主人公は14人の仲間と一緒に都へ行くのですが、帰ってこれたのは
主人公一人だけでした。

 現在、平城遷都1300年祭が奈良で開催されています。
久しぶりに奈良へ行ってみたくなりました。

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