暖簾は商人の命

山崎豊子の処女作は「暖簾」です。
主人公の吾平は一介の丁稚から叩きあげ、苦労して店を開きます。その店も戦災で
失い、長男も戦死してしまいます。
後を継いだ次男孝平は、戦後の混乱期を乗り越え本店を再興する、
というストーリーです。

この小説にこんなシーンがあります。
吾平が店を開いてしばらくしたあと、業務を拡大しようと家を担保に工場を建てます。
ところが台風が直撃し、工場は全壊してしまいます。資金繰りに困った吾平は銀行
や本家に緊急融資を頼みますがどこも応じてくれません。
メイン銀行の支店長に確かな担保があるのか? と問われた吾平はいいました。

「本家から分けて頂いた浪花屋の暖簾が担保だす。大阪商人にとってこれほど
 堅い担保は他におまへん。信じておくれやす。暖簾は商人の命だす。」

支店長は熟考の末、融資に応じてくれました。

暖簾を現在風に言えば、ブランド力、将来キャッシュフローの現在価値、
といえるでしょう。
これをどのように具体化するか、を数字で表現したものが事業計画です。

事業計画に基づいた経営を支援する、税理士である私の仕事だと思っています。

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