マルサの事例
「マルサ」は、大口・悪質な脱税者の刑事責任を追及することなどを目的とした
厳正な査察調査です。
国税庁より平成20年度の査察調査の結果が公表されました。事例は以下の通りです。
〔事例1〕
A社は、海外の仕入先と通謀の上、仕入代金を水増しして送金し、水増し分の金額に
ついては、代表者が海外へ行った際に現金で回収していました。
〔事例2〕
B社は、海外の自社工場において製造過程で発生した鉄くず等の副産物の売上代金
を除外するとともに、その代金を海外の金融機関の預金口座で管理するほか、海外の
不動産の取得費用などに充てていました。
〔事例3〕
Cは、インターネットにより、パチンコ攻略法の情報提供を行い多額の利益を得て
いましたが、事業実態のない会社名義を利用して、その会社の所得であるように
装い、自らが得ていた所得を一切申告していませんでした。
〔事例4〕
Dは、国内に居住しているにもかかわらず、海外に移住したかのように装い、国内での
株式取引により得た所得を一切申告していませんでした。
〔事例5〕
E社は、都市部の地価上昇を契機として、土地・建物の売買を行っていましたが、
売買取引に事業実態のない法人の名義を利用して、第三者が行った取引であるよう
に装い、所得を申告していませんでした。
〔事例6〕
Fは、株式取引により多額の利益を得ていたにもかかわらず、自らが経営する
小売店の所得のみを申告し、株式取引については、一切申告していませんでした。
〔事例7〕
Gは、勤務していた会社の親会社から付与されたストックオプションの権利を行使し
株式を取得したことにより、多額の利益(給与所得)を得ていたにもかかわらず、
利益の一部しか申告をしていませんでした。