蕎麦屋の看板

江戸時代の話です。
街道筋に一軒の蕎麦屋がありました。
近所に住む寺子屋の先生の評判がいいので、店の看板の字を書いてくれるように
頼みました。
先生は快く引受けてくれました。
しばらくして看板の字が完成しました。すばらしい出来栄えで、蕎麦屋の主人は
早速店先に掲げました。

あるとき、大名行列の一行が店に来ました。一行は店の看板が大層気に入り、
主人に看板を譲ってくれるように頼みました。
主人はこれに応じて看板を渡し、大金をもらいました。

主人は先生の許へ行き、再び看板の字を書いてくれるように頼みました。
先生は主人を家に招きいれ、半櫃(衣装入れ)を見せました。
その中には看板の字の下書きがびっしり入っていました。
主人は自分の行動に深く恥じ入りました。

先生の名前は中江藤樹、没後400年たった今でも「近江聖人」と呼ばれています。

はるかに及びませんが、税理士として藤樹先生のような気持ちで仕事をしたいと
思っています。

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